私の最愛の父は十五年前にこの世を去りました。その別離の悲しみ、苦しさの中、父を自分の方に引き戻そうとする思いが一杯で、涙に明け暮れる日々が続きました。
私も二児の母親。当時長男十歳(小学校五年生)、長女八歳(小学校三年生)ですが、親を無くしたときの気持ちは、それまでに感じたことの無いとても辛い深い悲しみを体験させてくれました。
葬儀の後二・三週間ほど過ぎた頃、私がお仏壇の前で泣いておりますと、息子が「お母さんそんなに泣いてばかりいたら躰わるくするよ。亡くなったおじいちゃんがすごく心配するから、お母さんが明るく元気にしていればおじいちゃんはきっと安心すると思うよ」この息子の言葉は衝撃的でした。本当にその通りです。ましてや家族や周りの方々にも心配を掛けます。
このときの息子の言葉が私の気持ちを変えた事は確かです。
それからは墓前でも「お父さん、今迄ありがとうございました。お母さんのことはおまかせください」と。
その母も今年の一月に父の元へ旅立ちました。悲しさ、辛さの中であの時の息子に教えられた心情が甦りました。
そうです。引き戻すのではなく、見送ってさし上げる気持ちの大切さ。
「お母さん、本当にお疲れ様でした。永の旅路気を付けて行ってらっしゃい!ありがとうございました」 感謝。 合掌。
